2009年5月30〜31日。関東学院大学釜利谷野球場で行われた神奈川大学野球連盟の 春季1・2部入れ替え戦で、2部1位校・横浜国立大が1部6位校・鶴見大に2連勝。 見事5季ぶりとなる1部復帰を勝ち取りました。
同校硬式野球部には昨年紹介した39期・香取氏を含めてこれまで多くの光陵高校野球部の 卒業生が在籍。その中でも、今年のチームの躍進を陰で支えた存在として、 28期・清水広貴氏をこのたび紹介したいと思います。
2001年3月の会報「陵球会だより」(現在は会報廃止)第12号でも一部紹介しましたが、 清水氏は複雑な進路を歩みます。
1993〜1995 | 光陵高校野球部 |
1997〜2000 | 横浜国立大学硬式野球部 |
2001.2〜2001.6 | 台湾プロ「和信鯨」練習生 |
2001後半〜2002.9 | 神奈川県野球連盟「相模原クラブ」 |
2002.9〜2003.3 | オーストラリア・ブリスベンリーグ「サーファーズパラダイス ブルーウェイブ」 |
2003.4〜2003.9 | カナダプロ「Saskatoon Legends」 |
2003.9〜2004.3 | オーストラリア・ブリスベンリーグ「サーファーズパラダイス ブルーウェイブ」 |
2004〜2005.7 | 中国プロ「四川ドラゴンズ」 |
2008後半〜現在 | 横浜国立大学硬式野球部コーチ |
純粋に野球で上を目指して各チームを渡り歩いて自らを磨き、経験を積み、 ときに母校でも練習に励みながら少しでもとチャンスをうかがいます。 大学卒業後も5年間強で5ヶ国5チームを渡り歩きますが上位のレベルへの壁は高く、2005年に現役続行を断念。 昨年秋、大学リーグ2部に低迷する母校のコーチに就任いたしました。 現在は鍼灸・マッサージの専門学校に通い、アルバイトにも励む傍らで後進の指導(野手全般のコーチ)に当たる、 ちょっと異色な31歳です。
今回、第1戦観戦後にお話をお聞かせいただき、また、昇格が決まった祝勝会の場に 電話をかけて取材させていただきました。
(25期・山口陽三編、写真も)
山口 | すごい試合だったね。 |
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清水 | はい、すごい試合でした。 |
1点リードの9回表1死2塁のピンチで左前打2走本塁憤死。 続く2死1塁右前ポテンヒットで長躯本塁を突いた1走が本塁憤死で試合終了。 | |
山口 | いやあでも、(2部校と言えど)悪いところはほとんどないね。しっかりしている。 |
清水 | はい。 |
山口 | 試合運びもよかった。 |
清水 | 川村(鶴見大エース)をどう攻略するかでした。思ったよりコントロールもよくて 苦労しましたが、同点に追いついたし降りてくれたので...。 明日は川村が来ないでしょうし少し楽に戦えるかと。 明日で決めたいです。 |
山口 | 先発投手は立ち上がり何点取られるか心配したけどね。 (初回2点を失ってなお1死1.3塁) |
清水 | (彼はこれまで)ああいう場面で崩れていたんです。 今年は崩れなくなって、成長してくれました。 |
(以下、2連勝で昇格決定後) | |
山口 | 今、大丈夫? |
清水 | すみません、乾杯するところでした。 |
山口 | (しばし待ってかけなおし) あらためておめでとう。 今年は手応えがある、と思っていたらしいけど? |
清水 | 今回はいけると思っていました。 他リーグの1部校とも練習試合してだいたい勝てた。 戦力に自信はありました。 ただし川村がいいから第1戦が厳しいかと思ってました。 |
山口 | ふだんはどういうかんじで指導しているの? |
清水 | 難しいことはわからないので積極的に打てと教えています。 打席に立った選手に声で最後の一押しをできればと、 1塁コーチャーボックスから声を出しています。 |
山口 | 清水らしいね。 指導者の立場として心がけていることとかはある? |
清水 | 結果を出すのは大事なことなのでどんな試合でも勝ちにこだわろうと 言っています。 打って勝とうという方針はある程度伝わってきたかと...。 |
山口 | 各国を渡り歩いた経験は指導に生きている? |
清水 | すごく生きています。ご存知の通り、僕は自分勝手な考え方でしたが、 いろいろな国を見ていろいろな価値観があることがわかりました。 相手の立場を考えることが大事だと。 |
山口 | おっ、清水らしくない(変わったね)(笑) |
清水 | あはは、はい。 |
山口 | 今後は? |
清水 | 今のチームをすごい好きだし自分も楽しい。 これからも関わりたいです。 チームは、すごくいいチームですが、欲を言えば、 例えば審判や相手チームにも敬意を払えるようなチームに なれると強くなっていけるような気がしています。 |
山口 | なるほど。 1部リーグでの活躍を期待しているよ。遅くにありがとう。 |
清水 | はい、ありがとうございます。がんばります。 |
1部昇格はとにかく嬉しい事です。 より一層努力して、1部のマウンドで活躍できるようにしたいと思います。
清水先輩は、監督と選手の間に立ってパイプのような役割をしてくれています。 |
打者に声をかける
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円陣(52番が清水氏)
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第1戦試合終了風景 本塁憤死で劇的幕切れ
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