◎「野球続ける選手育てたい」
=野球部OB深澤氏が光陵で教育実習、朝5時半起きの日々=


コーチとして、試合前練習で外野手にノックを打つ深澤氏
(2015年夏の大会3回戦)


2012年の卒業直後から野球部で後輩の指導に携わり、
14年春からはコーチを務めているOBの深澤建人氏(44期)が今秋、
光陵高校で教育実習を行った。
深澤氏は、国学院大の文学部史学科に在籍し、社会科(日本史)の教員を目指している。
「高校卒業後も、大学や社会人で野球を続ける選手を育てたい」と将来の希望を語った。

実習を行ったのは8月31日からの3週間で、2、3年生の日本史の授業を担当した。
通常、実習生が受け持つのは1日2コマ程度。
しかし、指導教官が野球部顧問の須藤先生であったこともあり、
深澤氏は同4〜6コマという野球部の練習並みのハードスケジュール。
「授業の準備のため毎朝5時半起きだった」と苦笑いする。
特に受験を控えた3年生の授業は責任を感じてプレッシャーだったといい
「準備に時間をかけないと授業が成り立たず、大変だった」と振り返った。
日本史が専門の校長先生にも授業を見てもらい、改善するため助言をもらった。
まだまだ勉強不足です」と日々努力を続ける。

教育の現場に立って実感したのは、自分からコミュニケーションを取らなければ
周囲の人との絆も生まれないということ。
「積極的に声を掛けるようにしたら、先生たちからアドバイスをもらえたり、他のクラスの生徒との会話も増えた」
と成長した姿を見せた。


教員を志したのは小学生の頃。高校野球の試合をテレビや球場で見て、球児が全力でプレーする姿に感動した。
一生高校野球に関われる指導者になりたい」と心に決めた。
高校時代は主に投手として活躍。
卒業後はコーチとして、川村監督や中山部長が指導する姿を間近で見て学んだ。
何事も楽しむこと、全力でプレーする姿勢を理解したいと、背中を追った。

最も苦心したのは「選手との信頼関係の築き方」。勉強や進路などプライベートの話もして、
選手の人間性を深く知るよう心がけた。


来春には大学を卒業予定。進路は決まっていないが、公立校の非常勤講師や私立教員の道を探っている。
「どのような形でも教壇に立ちたい」と意気込み、「野球はもちろん、教科、学校行事でも生徒のために貢献したい」と考える。
さらに野球部顧問として「甲子園に1度は行ってみたい」という夢も、胸に抱いている。


高校時代、投手としてチームをけん引した深澤氏
(2011年夏の大会1回戦)

(文・写真=37期・須黒佑真)