◎冬を越え、球春もうすぐ


2014年シーズン開幕を控えて、現役部員の練習に熱が入っている。

2月上旬のこの日は授業終了後の午後4時半頃から練習を開始し、アップとキャッチボールの後、 2グループに分かれてノックとティー打撃を行った。 7時の完全下校までの限られた時間で最大限の効果を上げるべく、 選手たちはテキパキとメニューをこなした。 午後5時頃には日が落ちたが、照明の微かな灯りを頼りに振り込みが続いた。

冬場の走り込みやトレーニングを乗り越えてきた選手たちの体はひと回り大きくなり、 昨年は緩かったユニフォームがピタッと体に馴染んできた。 12人とここ数年では多い1年生にも有望選手が多く、実戦が待ち遠しい。

3月からは他校との練習試合も始まり、いよいよ2014年のシーズンが幕を開ける。


日没後も打撃練習を続ける選手たち

〜ブルペンにライト設置、日没後も投げ込み可能に〜

日没後のブルペンを照らす1灯のライトが、日が短い冬場の投球練習に一役買っている。 暗くなっても捕手がボールを見失わないようにと、長束監督が電気店を経営するOB・平戸貴久氏(37期)に発注し、 昨冬から使われている。親身になって設置場所や角度など細かな注文に応えられるのはOBだからこそ。 捕手の背後からマウンド方向を照らすようにした。 「ライトがあるのと無いのとでは見え方が全く違う」と部員の評判も上々だ。

光陵グラウンドは照明が暗く、隅にあるブルペンはなおさら。 ライトがなかった頃は日没後にボールが見えず、投げ込みができなくなっていた。 当時を知る37期の捕手・渕勇人氏は

「日が落ちると一気にボールが見えなくなった。
感覚的にはピッチャーが投げた球が一度消えて、
5メートル手前くらいから突然飛び出してくる感じ。
ピッチャーはまだ投げたいのに球が見えないから終わりにするしかない状況で、
申し訳ないなと思っていた」

と振り返る。「あそこにライトが入ると、ピッチャーが投げ込み出来る量も増えるし本当に素晴らしい」。

冬場の投げ込み増で光陵得意の守り勝つ野球に磨きがかかるか。春はすぐそこまで来ている。


ライトに照らされたブルペンで投球練習する選手

(文・写真=37期・須黒佑真)