◎春の大会へ向けて=予選突破のカギは打撃=


3月23日から日大高校で始まる春の神奈川県大会予選に向け、現役チームの練習に熱が入っている。 走り込みや素振りなどの基本練習による体力作りの冬を乗り越え、選手たちの体は昨年より一回り成長、 スイングや投球も力強さを増した。 2年ぶりとなる県大会進出を懸け、昨秋の予選敗退の雪辱を果たす3試合に臨む。

長束監督や曽我主将が、予選突破のカギとみるのが打撃だ。 昨秋は2試合で4得点といまひとつだった攻撃力を向上させるため、冬場はバットをとことん振り込んできた。 「スイングを体に染みこませよう」(長束監督)と、日課とした素振りでは、 7秒に1度ブザーが鳴るタイマーを導入。ブザーが鳴るたびに素振りをすることで、時間内に決まった本数を振ることができ、 日によってはブザーが500回近く鳴るまで続けた。

自主練習でもバットに気持ちを込める選手も多い。福田(2年)は、チームの「ブザースイング」に加えて始業前に素振り。 毎朝7時半にはグランドで体を温めてから特訓したところ「フリー打撃で打球が飛ぶようになった」。 試合形式の練習では左翼手の頭を越える打球も放ち、実践での成果も期待できそうだ。

昨年11月に入部した高橋(2年)も、朝練と昼練でティー打撃を約300本打っている。 午後の全体練習も併せると1日で合計500本。 「チャンスで1本打てる打者になりたい。大会を通して3割以上打てるように頑張りたい」と 表情にたくましさが垣間見える。


笑顔で練習に臨む福田

投手の球筋を見る高橋(左)

「勝ちたい。ただそれだけ」と福田が言うように、勝ち抜くことへの執念が、各選手を影の努力へとかき立て、 やがてチーム自体も大きく成長する。春の空の下、県大会進出を懸けたひのき舞台で光陵打線の快音が響くか―。 想像するだけで胸が高鳴る。

練習風景

(文・写真=37期・須黒佑真)