◎勉強も、野球も、「諦めないで」
=慰労会を開催、OBが3年生を激励=

最後の夏の大会を終えて引退した野球部3年生の選手やマネージャーへ大学受験への心構えなどのアドバイスを贈ろうと、 陵球会員が7月21日、同校の体育準備室で慰労会を開いた。 出席したOBからは「絶対に諦めないこと。しつこさが最後に実を結ぶ」と 大学受験への心構えや進路を考えるためのアドバイス、激励の言葉が贈られた。 出席した3年生は先輩たちの話しに熱心に耳を傾け、自らの将来に思いを巡らせた。
(文・写真=37期・須黒佑真)

◇「将来考えて志望校選択を」「勉強はやって当たり前」

最初に登壇したのは、今春に卒業し、見事第一志望現役合格を果たした林氏(44期、専修大・文学部)。 自分の経験を基に「野球と同様、自分を客観的に見ることが大切」と主張。 自分の勉強への努力の自己評価と、周囲の評価は必ずしも一致しないと指摘した上で、 「将来何をやりたいかを考えて学校を選ぶ必要がある」と、目標にくじけない秘訣を明かした。

林氏と同期の谷野氏(早稲田大・教育学部)は受験勉強への心構えについて、 「やって当たり前。やらないで大学に入られても困る」と一喝。 その一方で、早寝早起きを一貫して続けることのメリットを語り、 「早起きすれば単語もできるし、大好きなユーチューブも見られる」と笑いを誘う一幕もあった。 また、私立文系を志望する後輩に対しては、センター試験が基礎学力の確認につながる受験の重要性を実体験から説いた。


(左:林氏、右:谷野氏)

◇「強み生かして夢目指せ」「絶対諦めるな」

同じく44期の深沢氏(国学院大・文学部史学科)は「1日12時間費やした勉強時間のうち、6〜7時間は日本史に充てた」と 独自の戦略を披露。自身が苦手としていた国語をあえて捨て、得意分野へ注力したことが結実したと語った。 同氏は、「どんな形でもいいから甲子園に行きたい。光陵の練習にもコーチとして出て、練習試合の先々で聞く(他校の)監督の話を聞いて生かしたい」と、 自分自身にも言い聞かせるかのように、夢を叶えるための自分が歩むべき道を見つけることの大切さも話した上で、 「大学四年間遊んだらそこで終わる」と檄(げき)を飛ばす。 最後は「人と関わる」という共通点を基に始めた塾講師のアルバイト経験を踏まえ、 「授業はもちろん、それ以外でいかに自分をレベルアップしようとするかが大事」と諭した。

「光陵の野球部創部時代を知る『語り部』の1人」という伊東氏(8期)は、「父親目線」でアドバイス。 入試で解けなかった問題を持ち帰り、繰り返し復習したことで合格した自身の愛娘の話を引きあいに出し、 「絶対に諦めないことこそが最後に実を結ぶ」と重みのある一言。 「志望校に惚れ込む」ため、事前に試験日をイメージして下見する重要性を示唆し、緊張せずに本番に全力を出せるすべを教える。 加えて、「大人になって振り返ると、大学受験はほんの小さなことでしかない」と父親のまなざしを垣間見せた。


(深沢氏)

◇「大学でも伸びる」「色々な続け方を知って」

会の終盤には、光陵卒業後も大学で硬式野球を続けた峰野氏(静岡大学卒)と須黒(立教大学卒)が登壇し、 「大学でも野球」の良さを口々に語った。

柏陽高校で野球部の指導をする峰野氏は、大学生にも「成長期」があることを指摘。 「君たちは身体的にもこれからまだまだ伸びるし、もっともっと成長できる。大学のエースがかつての高校のエースとは限らない」と力説した。 須黒は、硬式から軟式へ転向した友人が、リーグの奪三振王のエースに変貌した話をもとに、 「大学によっては軟式野球部や準硬式野球部などもあり、レベルや活動内容も大きく異なる。 自分に合った続け方が必ずあるので是非見つけてほしい」とエールを送った。


(峰野氏)

◇引退する3年生の成長に期待―慰労会を終えて

青春を野球に懸けた3年間を終え、受験という次なるステージへ歩みを進めた3年生。 近年は現役合格するOBの割合が増えてきただけでなく、今回引退する加藤と田中順のように、 約1年の海外留学に旅立つ者が現れるなど、大学入学以外の道を模索する部員も出てきた。

文武両道を当然のように求められる光陵生だが、野球から勉強への切り替えは容易ではあるまい。 しかし、誰もが一度は通る道。厳しい受験を突破して活躍する同じ道を通ったOBがたくさんいる。 苦しいときにはこれらの先輩を頼り、最後まで自分を信じて壁を乗り越えていってほしい。 総会やソフトボール大会などの陵球会の催し、そして夏の球場で、 彼らの一回り成長した姿をみられるのを楽しみにしている。

この日の出席者は以下の通り。

出席者一覧(敬称略)
陵球会
氏名 備考
8 伊東 政明 講演者
37 峰野 宏祐 講演兼運営
(現柏陽高校教員)
37 須黒 佑真 講演兼取材
(現時事通信社)
44 林 憲吾 講演者
(専修大・文学部)
44 谷野 公亮 講演者
(早稲田大・教育学部)
44 深沢 建人 講演者
(国学院大・文学部史学科)
現役3年生(45期)
背番号 氏名
1 三田村 昴記
3 有村 元春
4 柳瀬 翔太
5 稲葉 弘一
6 田中 順也
8 柳下 聖也
9 加藤 直
10 清水 敦哉
-- 荒木 裕梨
(マネージャー)
-- 山本 夏奈
(マネージャー)